episode 009
「自分だけの珈琲ショップをつくりたい」というオーナー様からのご依頼を受け、住宅街の一角にひっそりと佇む珈琲焙煎所として誕生いたしました。
珈琲愛が溢れるオーナー様が、意を決してご自身の理想を形にしたいとご相談くださったプロジェクトです。オーナー様がこだわったのは、“落ち着き”と“大人の隠れ家”のような空間づくり。Barのような上品でクラシックな雰囲気を漂わせつつ、コンパクトな6畳のスペースを最大限に活用し、珈琲の焙煎、ドリップ、イートイン、豆の販売が可能な店舗を実現しました。施工地は元々、灯籠や石が美しい立派な日本庭園でしたが、管理の負担軽減のため整地を行い、その場所にあった大きな石を再利用して、アウトドアベンチとして活用。過去の庭の趣を残しながらも、店舗と外部空間が一体となるデザインを意識しました。また、母屋と店舗の間には高めの木製フェンスを設け、生活スペースと店舗スペースを明確に分けることで、より快適でストレスのない運営を実現しました。オーナー様の珈琲愛と情熱が詰まったこの焙煎所は、趣味を仕事に昇華させる理想の空間となっています。生活の一部に溶け込みながらも、地域の人々に愛される特別な珈琲ショップとして、これからの展開が楽しみです。